月経困難症に対するピル治療薬の効果などを解説
- 【読み】 げっけいこんなんしょう
- 【呼称】 -
※2026年7月時点の情報を元に作成しています。
月経困難症は月経のある女性の一定数に認められるとされていますが、頻度が高いからといって我慢すべきものというわけではありません。多くの女性が月経困難症からくる痛みや多数の症状を日常的に我慢しており、体調を崩したり日常生活で不便を感じたりしている実態が浮かびあがっています。月経困難症の背景に子宮内膜症などの器質性疾患があることも報告されており、そのまま我慢し続けていると不妊症などにつながる恐れもあります。
今回は、月経困難症に伴っている可能性がある疾病について、また、月経困難症の治療に用いられるピルの種類について解説します。
月経困難症は治療を要する病気
「月経時の痛みは仕方がないものだから、痛み止めを飲んで我慢しよう」と月経時の痛みや苦しみを我慢している女性は非常に多いです。しかし、月経困難症は生理痛、腰痛、頭痛、不安感情、めまい、吐き気、無気力、うつ感などさまざまな症状を引き起こす可能性があり、仕事や学業に集中できないなど日常生活に支障をきたすほど重大なものです。痛み止めを飲まないと体がしんどいといった場合は、無理に我慢をしないで医療機関を受診してください。
子宮内膜症を起こしている可能性がある
月経困難症の裏ではさらに重大な疾病が隠れていることがあります。そのひとつが子宮内膜症です。
子宮内膜症は、子宮内膜に似た組織が子宮外で発育・増殖する疾患です。病変や炎症・癒着により月経痛・慢性骨盤痛・性交痛などを生じ、不妊の原因になることもあります。
子宮内膜症は手術療法が検討される場合も
器質性月経困難症では、原因疾患・症状・年齢・妊娠希望等に応じ、薬物療法や手術療法が検討されます。手術療法・薬物療法のどちらが適しているかは、原因疾患の状態や患者さんの希望を踏まえて医師が判断します。
月経困難症の治療薬「LEP製剤」
月経困難症に対してLEP製剤(低用量エストロゲン・プロゲスチン配合剤)が用いられることがあります。LEP製剤は排卵や子宮内膜の増殖を抑え、月経時の経血量や子宮収縮に伴う痛みを軽減します。効果や出血の状態には個人差があり、不正性器出血が起こる場合もあります。
LEP製剤は、月経困難症など製品ごとに承認された疾患の治療に使用されます。承認効能は製品によって異なり、保険適用も診断・処方目的・使用製品等の条件に基づいて判断されます。
処方前には症状・既往・喫煙・片頭痛・血栓症リスク・使用中の薬などを確認します。原因疾患が疑われる場合は診察や超音波検査等を行い、必要に応じて追加の画像検査を検討します。
生理痛そのものへのピルの効果については生理痛にはピルが効く?で詳しく解説しています。
服用方法
飲み始める日、実薬とプラセボの構成、休薬期間、飲み忘れ時の対応は製品によって異なります。自己判断で中止せず、処方された製品の患者向医薬品ガイドを確認し、医師・薬剤師に相談してください。詳しい飲み方は低用量ピルの飲み方は?飲むタイミングについても解説をご覧ください。
副作用・血栓症について
主な副作用には吐き気・頭痛・不正性器出血・乳房の張りなどがあります。足の突然の痛み・腫れ、突然の息切れや胸痛、激しい頭痛、手足の脱力・まひ、言葉のもつれ、突然の視力障害が現れた場合は服用を中止し、直ちに救急医療機関を受診してください。製品ごとに禁忌・相互作用が異なるため、詳細は各製品記事をご確認ください。
ピルの種類(1)OC
低用量ピルにはOCとLEPという種類があります。そのうちOC(Oral Contraceptives)は低用量経口避妊薬で、避妊を目的として処方されます。OCは避妊を目的とした薬であるため、保険が適用されず全額自費負担になります。医療機関によって処方の料金設定が異なります。
ピルの種類(2)LEP
もうひとつのピル、LEP(Low dose Estrogen Progestin)は低用量エストロゲン・プロゲスチン配合薬です。成分そのものはOCと近い系統ですが、月経困難症など製品ごとに承認された疾患の治療薬として使用され、避妊目的のOCとは別物の扱いです。
ピルは婦人科・産婦人科で処方可
現在、日本では低用量ピル・LEP製剤は市販で売られていません。自己使用目的の個人輸入が制度上認められる場合はありますが、国内で品質・有効性・安全性が確認されていない製品や偽造品が含まれるリスクがあります。医師の診察を受け、国内で承認された医薬品を処方してもらってください。
低用量ピル・LEP製剤は婦人科・産婦人科で処方してもらえます。強い痛みが続く・悪化する・月経時以外も痛む・出血量が多い・妊娠希望がある等の場合は、超音波検査などが可能な婦人科・産婦人科での対面受診を検討してください。
月経の痛みは我慢せずにクリニックで受診を
月経困難症は子宮内膜症などの重大な病気のサインになっていることがあります。重い生理痛や体の痛みなど、月経困難症そのものによって日常生活が不便になっていると感じているなら、婦人科や産婦人科を受診すると良いでしょう。
参考文献
日本産婦人科医会
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