ゾコーバとは?効果や飲み合わせについて医師が解説
- 【読み】 ぞこーば
- 【呼称】 -
※2026年6月時点の情報を元に作成しています。
ゾコーバ(成分名:エンシトレルビル)とは
ゾコーバは、北海道大学と塩野義製薬の共同研究で開発された新型コロナウイルス感染症治療薬です。
対象となる病気・症状
軽症~中等症の新型コロナウイルス感染症による諸症状を改善します。
ゾコーバで期待できる効能・効果
ゾコーバは新型コロナウイルスの増殖を抑制し、①倦怠感や疲労感、②熱っぽさや発熱、③鼻水や鼻づまり、④喉の痛み、⑤咳の5症状が快復するまでの時間を短縮します。臨床試験では、症状がなくなるまでの時間の中央値は、ゾコーバを服用した人で167.9時間だったのに対し、服用しなかった人では192.2時間でした。
2026年3月には、治療に加えて「SARS-CoV-2による感染症の予防」の効能が追加で承認されました。予防に用いる場合は、感染者と接触後72時間以内に、重症化リスクのある同居家族などへ投与するのが原則です。ただし予防目的での使用は保険適用外(自費)となります。
後遺症への効き目
新型コロナウイルス感染症は、さまざまな後遺症を引き起こすことが知られています。最近の研究において、ゾコーバは、新型コロナウイルス感染症に特徴的な咳や喉の痛み、倦怠感、味覚、嗅覚異常といった後遺症状を改善することが報告されています。
また、後遺症の可能性が高いとされる神経症状(課題解決力、集中力・思考力の低下、物忘れ、不眠)についても、ゾコーバによって改善できることも報告されています。
ただ、後遺症への効果は、現時点ではあくまで研究段階であるということは理解しておきましょう。
ゾコーバの服用方法
・通常、12歳以上の小児及び成人には1日目は375mg(3錠)を、2日目から5日目は125mg(1錠)を1日1回内服します。
・症状が発現してから速やかに内服する必要があります。ゾコーバの有効性は、症状発現から3日目までに内服開始された場合でのみ確認されています。
ゾコーバの使用上の注意
ゾコーバの副作用
一般的な副作用
主な副作用として、HDLコレステロール低下、ビリルビン上昇、トリグリセリド上昇、悪心、嘔吐、下痢、頭痛、発疹などが報告されています。
重大な副作用
頻度は不明ですが、アナフィラキシーを起こす可能性があります。服用中にアナフィラキシーが疑われる以下の症状があらわれた場合は、服用を中止し、すぐに受診してください。
- 皮膚の赤み
- 息苦しさ
- 激しい嘔吐
- ぐったりしてぼーっとする
- 意識が朦朧とする
ゾコーバの使用禁忌・併用禁忌
以下に該当する人はゾコーバを服用できません。
- 有効成分のエンシトレルビルに対して過敏症の既往歴のある人
- 腎機能または肝機能障害があり、コルヒチンという薬を投与中の人
- 妊婦または妊娠している可能性のある女性
併用禁忌
ゾコーバは併用できない薬がたくさんあります。代表的なものは以下の通りです。
- ベプリジル塩酸塩水和物(ベプリコール)(心臓の薬)
- エプレレノン(セララ)(高血圧の薬)
- シンバスタチン(リポバス)(コレステロールの薬)
- トリアゾラム(ハルシオン)(睡眠薬)
- ブロナンセリン(ロナセン)(抗精神病薬)
- アゼルニジピン(カルブロック)(肺動脈性肺高血圧症の薬)
- アゼルニジピン・オルメサルタン メドキソミル(レザルタス配合錠)(高血圧の薬)
- スボレキサント(ベルソムラ)(睡眠薬)
- タダラフィル(アドシルカ)(高血圧の薬)
- バルデナフィル塩酸塩水和物(レビトラ)(EDの薬)
- リバーロキサバン(イグザレルト)(血栓の薬)
- カルバマゼピン(テグレトール)(てんかんの薬・精神安定剤)
これ以外にも併用できない薬が多数あるため、服薬中のすべての薬を医師や薬剤師に確認してもらう必要があります。また、ゾコーバの服用に新たに他の薬剤を服用する場合も、事前に医師や薬剤師に相談してください。
ゾコーバと他の薬との飲み合わせ
併用してはいけない薬以外にも、併用に注意が必要な薬が多くあります。また、薬だけでなくセイヨウオトギリソウ(セント・ジョーンズ・ワート)を含むサプリメントも、ゾコーバと併用できません。
そのため、ゾコーバの処方を受けるときは、現在服用中の薬がわかるおくすり手帳や、サプリメントの情報が記載されたパッケージなどを持参し、医師や薬剤師に飲み合わせを確認してもらうようにしてください。
ゾコーバの処方にはいくらかかかる?
ゾコーバの値段・薬価
ゾコーバの値段(薬価)は、1錠あたり7,090円です。通常、1回の治療につき7錠(49,630円分)を使用します。2024年4月以降、公費負担は終了しており、通常の保険診療での処方となっています。自己負担割合が3割の方で、1回の治療につき約15,000円が自己負担額の目安です。
この記事の監修者
吉野友祐
【経歴】
・広島大学医学部卒業
・現在は帝京大学病院感染症内科所属
・帝京大学医学部微生物学講座教授
・専門は内科・感染症
【研究分野】
・薬剤耐性菌、インフルエンザ、HIV、Clostridioides difficile 他
【所属学会・資格】
・日本医師会 産業医
・日本内科学会 総合内科専門医
・日本感染症学会 感染症専門医
【その他の資格】
・ICD
【所属】
・帝京大学医学部微生物学講座 主任教授
・帝京大学アジア国際感染症制御研究所 所長
・帝京大学医学部附属病院感染症内科
【参考文献】
https://www.kegg.jp/medicus-bin/japic_med?japic_code=00070668
https://www.shionogi.com/jp/ja/news/2023/2/20230222.html
https://allergyportal.jp/provision/anaphylaxis/
https://med.shionogi.co.jp/news/package/2023/230315_pdf.html
https://www.pref.saitama.lg.jp/a0710/pubexp_after_covid19.html
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