公開日:2024年05月10日

生理痛にはピルが効く?ピルと併用してはいけない薬についても解説

  • 【読み】 ぴる
  • 【呼称】 -

※2026年7月時点の情報を元に作成しています。

「生理中の腹痛が憂鬱……」と感じている女性も多いのではないでしょうか?女性であれば、否応なく繰り返す毎月の生理。少しでも快適に過ごしたいものですよね。

今回は、生理痛が起こる原因や対処法、受診が必要なケースについて、低用量ピルによる治療に着目して解説します。

生理痛について

生理痛とは

生理の際に腰や下腹部に感じる痛みは「生理痛」と呼ばれています。

生理痛の原因には、「プロスタグランジン」というホルモンが深く関わっています。妊娠が成立せず不要になった子宮粘膜を経血として排出する際、子宮内膜からはプロスタグランジンが分泌されます。プロスタグランジンは、子宮を収縮させることで不要になった粘膜を血液とともに体外に押し出す働きをします。しかし、分泌量が多すぎると必要以上に子宮が収縮してしまい、生理痛を生じてしまうのです。

生理痛の症状

体の冷えや長時間の立ち仕事などで、血流が悪くなったり体に負担がかかったりすると、より強い生理痛を感じることがあります。また、生活環境の変化や精神的なストレスが生理と重なると、それが原因で痛みを強く感じることもあります。

生理痛の症状が特にひどく、日常生活に支障が出るような状態を「月経困難症」といいます。

月経困難症に該当するような重い生理痛の裏には、「子宮内膜症」や「子宮筋腫」といった婦人科系の病気が隠れている場合があります。これらの病気は、生理痛以外に自覚症状がないことも多く、生理痛だと思ってやり過ごしているうちに、病気の発見が遅れてしまうケースもあります。生理痛が辛いと感じるときは、早めに医療機関を受診しましょう。

「月経困難症や子宮内膜症についてより詳しくは「月経困難症に対するピル治療薬」で解説しています。

生理痛の治療方法

生理痛が日常生活に支障を来す場合は月経困難症に該当します。治療にはNSAIDs、LEP製剤、漢方薬、LNG-IUS(黄体ホルモン放出子宮内システム)などがあり、症状・原因疾患・血栓症リスク・使用中の薬等を踏まえて選択します。強い痛みが続く・悪化する場合は超音波検査などが可能な婦人科での対面診療が必要です。

鎮痛剤による治療

生理痛には、鎮痛薬を利用するのも治療方法の一つです。

生理痛に使用される鎮痛薬は「非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDs)」と呼ばれ、痛みの原因となるプロスタグランジンの生成を抑え、痛みを和らげます。NSAIDsには解熱作用もあるため「解熱鎮痛薬」とも呼ばれており、ドラッグストア等の店頭では、さまざまな商品が販売されています。

どの鎮痛成分が合うかは人それぞれです。医師や薬剤師に相談し、自分の痛みや体質に合った鎮痛成分を選ぶことが大切です。

LEP製剤(低用量ピル)による治療

月経困難症の治療に用いられるLEP製剤(低用量エストロゲン・プロゲスチン配合剤)には排卵を抑制する作用があり、子宮内膜が厚くなりにくくなります。そのため、経血量の減少が期待でき、生理痛の改善につながると考えられています。LEP製剤により月経痛や経血量が軽減することがありますが、効果には個人差があります。

OC(避妊目的)とLEP(月経困難症などの治療目的)の違いについては「月経困難症に対するピル治療薬」で詳しく解説しています。

漢方薬による治療

生理痛がそれほど重くない人や、LEP製剤の服用に抵抗のある人には、漢方薬による治療が選択されることがあります。女性の不調改善に効果のある漢方薬は多くあり、生理痛には「当帰芍薬散」「桂枝茯苓丸」「加味逍遥散」などがよく使用されます。

低用量ピル・LEP製剤を使用する際の注意事項

ここからは、低用量ピル・LEP製剤で生理痛の治療を行う際に気になる、「飲み合わせ」「注意するべき副作用」「飲み忘れたときの対処法」について解説します。

飲み合わせ

LEP製剤・経口避妊薬の飲み合わせは製品ごとに異なります。薬の効果を弱める薬、併用薬の血中濃度を変える薬、製品固有の副作用リスクを高める薬があります。処方薬だけでなく市販薬・漢方薬・サプリメント・セント・ジョーンズ・ワートを含む食品をすべて医師・薬剤師に伝え、自己判断で中止・継続せず製品ごとに確認してください。

注意するべき副作用

吐き気、頭痛、嘔吐、乳房の張りや痛み、不正出血といった症状が、服用を始めて最初の1〜2カ月の間に起こることがあります。これらの症状は多くの場合、服用を継続するうちに治まります。

足の突然の痛み・腫れ、突然の息切れや胸痛、激しい頭痛、手足の脱力・まひ、言葉のもつれ、突然の視力障害が現れた場合は、服用を中止し、直ちに救急医療機関を受診してください。エストロゲン含有製剤は35歳以上で1日15本以上の喫煙者は禁忌です。長期的ながんリスク等については、年齢・既往・家族歴・使用する製品等で異なるため、定期的に医師の診察を受けてください。

飲み忘れたときの対処法

飲み忘れ時の対応は、製品名・実薬/プラセボの別・忘れた錠数・シートの時期で異なります。自己判断で中止せず、処方された製品の患者向医薬品ガイドまたは電子添文を確認し、処方医・薬剤師に相談してください。詳しい飲み方は低用量ピルの飲み方は?飲むタイミングについても解説をご覧ください。

低用量ピルのオンライン診療との相性

生理痛の治療で低用量ピルをコンスタントに服用するためには、定期的に通院し医師の処方を受けることが不可欠です。ただ、生理痛に悩む年代の女性は学業や仕事など日々の生活で忙しく、思うように来院の時間を作れない場合もあります。オンライン診療は、こうした通院負担の軽減に役立ちます。

またオンライン診療は、薬の処方だけでなく飲み忘れた場合の対処方法や、飲み方を変えたい場合の相談窓口としても活用できます。強い痛みが続く・悪化する場合は、オンライン診療だけで完結せず対面受診を検討してください。

参考文献

ヤーズ配合錠添付文書(PMDA電子添文)

ヤーズフレックス配合錠添付文書(PMDA電子添文)

日本産婦人科医会

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