パキロビッドパックとは?副作用や併用禁忌について医師が解説
- 【読み】 ぱきろびっどぱっく
- 【呼称】 -
※2026年6月時点の情報を元に作成しています。
パキロビッドパック(成分名:ニルマトレルビル/リトナビル)とは
パキロビッドパックは、ファイザーによって開発された新型コロナウイルス感染症治療薬です。
対象となる病気・症状
重症化リスク因子を有する軽症〜中等症のCOVID-19患者に対して処方され、新型コロナウイルス感染症の重症化を防ぎます。
パキロビッドパックで期待できる効能・効果
入院や死亡など、新型コロナウイルス感染症の重症化予防効果が確認されています。18歳以上の新型コロナウイルス感染症患者を対象にした臨床試験では、パキロビッドパックを服用した人の入院は671人中5人(0.745%)、死亡は671人中0人(0%)だったのに対し、服用しなかった人では入院が647人中44人(6.801%)、死亡が647人中9人(1.391%)でした。
※なお、この臨床試験は主にワクチン未接種で重症化リスク因子を有する成人を対象に2021年に実施されたものです。現在の実臨床では、ワクチン接種歴、既感染、流行株、年齢、基礎疾患などにより、期待される効果の大きさは異なる可能性があります。
パキロビッドパックの服用方法
- 通常、成人及び6歳以上かつ体重40kg以上の小児には、パキロビッド600 (ニルマトレルビル300mg及びリトナビル100mg)を1日2回、5日間経口投与します。中等度腎機能障害例及び6歳以上かつ体重20kg以上40kg未満の小児では、パキロビッド300(ニルマトレルビル150mg及びリトナビル100mg)を1日2回、5日間投与します。
- 薬のシートが服用のタイミング(朝及び夕)ごとに左右で色分けされており、パキロビッド600ではニルマトレルビルが下に2錠、リトナビルが上に1錠の合計3錠が1回分としてセットされています。パキロビッド300ではニルマトレルビルが下に1錠、リトナビルが上に1錠の合計2錠が1回分としてセットされています。1シートが1日分で、合計5シート(5日分)を服用します。
- 症状が発現してから速やかに投与を開始する必要があります。有効性は、症状発現から5日目までに投与が開始された場合でのみ確認されています。
パキロビッドパックの使用上の注意
パキロビッドパックの副作用
頻度の高い副作用
以下の副作用が1%以上5%未満の確率で生じる可能性があります。症状が重篤な場合には服用を中止し、医師に相談してください。
- 味覚障害
- 下痢・軟便
重大な副作用
稀ですが、以下の重大な副作用を起こす可能性があります。服用中に以下の症状があらわれた場合は、使用を中止し、すぐに受診してください。
- 肝機能障害(だるさ、食欲不振、吐き気、皮膚のかゆみ、白目や皮膚が黄色くなるなど)
- アナフィラキシー(皮膚の赤み、息苦しさ、嘔吐、意識朦朧など)
- 中毒性表皮壊死融解症(TEN)、皮膚粘膜眼症候群(Stevens-Johnson症候群)(皮膚や粘膜の水ぶくれ・ただれ、目の充血、発熱など)
パキロビッドパックの使用禁忌・併用禁忌
使用禁忌
以下に該当する人はパキロビッドパックを服用できません。
- 有効成分のニルマトレルビル及びリトナビルに対して過敏症の既往歴のある人
- 腎機能または肝機能障害があり、コルヒチンという薬を投与中の人
併用禁忌
パキロビッドパックと併用できない代表的な薬は以下の通りです。
- エレトリプタン臭化水素酸塩(レルパックス)(片頭痛の薬)
- アゼルニジピン(カルブロック)(高血圧の薬)
- アゼルニジピン・オルメサルタン メドキソミル(レザルタス配合錠)(高血圧の薬)
- エプレレノン(セララ)(高血圧の薬)
- ベプリジル塩酸塩水和物(ベプリコール)(心臓の薬)
- リバーロキサバン(イグザレルト)(血栓の薬)
- ブロナンセリン(ロナセン)(抗精神病薬)
- スボレキサント(ベルソムラ)(睡眠薬)
- タダラフィル(アドシルカ)(肺動脈性肺高血圧症の薬)
- バルデナフィル塩酸塩水和物(レビトラ)(EDの薬)
- ジアゼパム(セルシン、ホリゾン)(抗不安薬・鎮静薬)
- エスタゾラム(ユーロジン)(睡眠薬)
- トリアゾラム(ハルシオン)(睡眠薬)
- カルバマゼピン(テグレトール)(てんかん・メンタル系の薬)
これ以外にも併用できない薬が多数あり、特にED治療薬や肺動脈性肺高血圧症治療薬、睡眠薬、抗不安薬の一部は、パキロビッドパックと併用できない場合があります。国内未承認薬や個人輸入薬を含め、使用中の薬はすべて必ず医師・薬剤師に申告してください。また、パキロビッドパック服用中に新たに他の薬剤を服用する場合も、事前に医師や薬剤師に相談してください。
パキロビッドパックと他の薬との飲み合わせ
併用禁忌の薬以外にも、併用に注意が必要な薬が多くあります。飲み合わせには、細心の注意が必要です。また、薬だけでなくセイヨウオトギリソウ(セント・ジョーンズ・ワート)を含むサプリメントも、パキロビッドパックと併用できません。
パキロビッドパックの処方を受けるときは、服用中の薬について記載されたおくすり手帳や、サプリメントの情報が記載されたパッケージなどを持参し、医師や薬剤師に飲み合わせを確認してもらうことが重要です。
パキロビッドパックの処方にはいくらかかかる?
パキロビッドパックの値段・薬価
通常使われる「パキロビッドパック600」の値段(薬価)は、1シートあたり19,805.5円です。通常、1回の治療につき5シート(99,027.5円分)を使用します。2024年4月以降、公費負担は終了しており、通常の保険診療での処方となっています。自己負担割合が3割の方で、1回の治療につき約29,700円が自己負担額の目安です。
この記事の監修者
吉野友祐
【経歴】
・広島大学医学部卒業
・現在は帝京大学病院感染症内科所属
・帝京大学医学部微生物学講座教授
・専門は内科・感染症
【研究分野】
・薬剤耐性菌、インフルエンザ、HIV、Clostridioides difficile 他
【所属学会・資格】
・日本医師会 産業医
・日本内科学会 総合内科専門医
・日本感染症学会 感染症専門医
【その他の資格】
・ICD
【所属】
・帝京大学医学部微生物学講座 主任教授
・帝京大学アジア国際感染症制御研究所 所長
・帝京大学医学部附属病院感染症内科
【参考文献】
https://www.kegg.jp/medicus-bin/japic_med?japic_code=00070789
https://www.pref.saitama.lg.jp/a0710/pubexp_after_covid19.html
https://www.pfizer.co.jp/pfizer/company/press/2022/2022-02-10
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