ウゴービ皮下注(一般名:セマグルチド(遺伝子組換え))とは
- 【読み】
- 【呼称】
概要
ウゴービ皮下注は、GLP-1受容体作動薬である「セマグルチド(遺伝子組換え)」を有効成分とする薬剤です。体内のインスリン分泌や血糖値を調節するホルモンであるGLP-1(グルカゴン様ペプチド-1)と同様の作用を持ち、食欲を抑え、胃内容物の排出を遅らせることで、体重減少を促します。2023年3月に肥満症治療薬として承認され、2026年6月19日には、肝硬変を伴わない代謝機能障害関連脂肪肝炎(MASH。中等度又は高度の線維化を有する場合に限る)に対する治療薬としても製造販売承認事項一部変更承認を取得し、国内初のMASH治療薬となりました。現在の薬効分類は「肥満症・MASH治療剤」です。
本剤は自己注射可能な製剤で、週に1回皮下注射します。投与量が段階的に増量される5種類のキット(0.25mg、0.5mg、1.0mg、1.7mg、2.4mg)があります。
対象となる疾病・症状
肥満症 ただし、以下のいずれかの条件を満たす場合に限ります。
・BMIが27以上であり、高血圧、脂質異常症又は2型糖尿病のいずれかを有し、かつ2つ以上の肥満に関連する健康障害を有する
・BMIが35以上
肝硬変を伴わない代謝機能障害関連脂肪肝炎(MASH) ただし、中等度又は高度の線維化を有する場合に限ります。
ウゴービに期待できる効能・効果
・肥満症の改善
・肝硬変を伴わない代謝機能障害関連脂肪肝炎(MASH)における肝線維化の改善(中等度又は高度の線維化を有する場合に限る)
最適使用推進ガイドラインについて
ウゴービ皮下注は、厚生労働省が定める「最適使用推進ガイドライン対象品目」です。肥満症についてのガイドラインに加え、2026年6月19日のMASH適応追加にあわせて、MASHに関する最適使用推進ガイドラインが新たに公開されました(肥満症に関するガイドラインも同日付で一部改正されています)。処方にあたっては、対象患者要件・施設要件・医師要件など、ガイドラインに定められた基準を満たす必要があります。詳細は厚生労働省及びPMDAが公表する最新のガイドラインをご確認ください。
ウゴービの使用方法
通常、成人には、セマグルチド(遺伝子組換え)として0.25mgから投与を開始し、週1回皮下注射します。その後は少なくとも4週間の間隔をおいて、週1回0.5mg、1.0mg、1.7mg及び2.4mgの順に増量し、以降は2.4mgを週1回皮下注射します。なお、患者の状態に応じて適宜減量します。
用法・用量に関する使用上の注意
(1)同一曜日に投与すること。
(2)投与を忘れた場合は、次回投与までの期間が2日間(48時間)以上であれば、気づいた時点で直ちに投与し、その後はあらかじめ定めた曜日に投与すること。
(3)次回投与までの期間が2日間(48時間)未満であれば投与せず、次のあらかじめ定めた曜日に投与すること。
(4)週1回投与の定めた曜日を変更する必要がある場合は、前回投与から少なくとも3日間(72時間)以上間隔を空けること。
(5)胃腸障害等の発現により忍容性が得られない場合は、減量又は漸増の延期を検討すること。
(6)あらかじめ肥満症治療の基本である食事療法・運動療法を行っても、十分な効果が得られない場合で、薬物治療の対象として適切と判断された患者のみを対象とすること。
その他の主な注意
・本剤投与中は、食事療法・運動療法を継続すること。
・定期的に体重、血糖、血圧、脂質等を確認し、3~4ヵ月間投与しても改善傾向が認められない場合には、本剤の投与を中止すること。
・急性膵炎の初期症状(嘔吐を伴う持続的な激しい腹痛等)があらわれた場合は、直ちに使用を中止し、速やかに医師の診断を受けるよう指導すること。
・下痢、嘔吐から脱水を続発し、急性腎障害に至るおそれがあるため、患者の状態に注意すること。
・妊婦、妊娠している可能性のある女性には投与しないこと。また、2ヵ月以内に妊娠を予定する女性では本剤の投与を中止すること。
・全身麻酔又は深い鎮静下で手術や検査を受ける患者では、GLP-1受容体作動薬又はGIP/GLP-1受容体作動薬を投与中の患者において、術前の絶食指示を遵守したにもかかわらず誤嚥が生じた症例が報告されている。本剤は胃内容排出遅延作用があり、胃内容物残留リスクが高まるおそれがあるため、全身麻酔又は深い鎮静を伴う手術・検査等を予定している場合は、事前に医師にウゴービ使用中であることを申告するよう指導すること。
ウゴービの主な副作用
悪心、下痢、嘔吐、便秘、食欲減退、頭痛、浮動性めまい、味覚不全、腹痛、腹部不快感、腹部膨満、おくび(げっぷ)、消化不良、胃腸炎、心拍数増加など
ウゴービの重大な副作用
・低血糖(脱力感、高度の空腹感、冷汗、動悸、めまい等)
・急性膵炎(嘔吐を伴う持続的な激しい腹痛等)
・胆嚢炎、胆管炎、胆汁うっ滞性黄疸
・イレウス(腸閉塞を含む。高度の便秘、腹部膨満、持続する腹痛、嘔吐等)
※警告・禁忌を含む使用上の注意等は、必ず製品添付文書をご確認ください。
ウゴービのオンライン診療との相性
ウゴービ皮下注による肥満症治療は、治療の基本である食事療法・運動療法の継続が大前提であり、定期的な体重、血圧の確認、また、血液検査での血糖やコレステロールなどの確認が必要です。
オンライン診療サービスは、定期的な通院が必要な治療において、患者さんの通院負担の軽減に役立ちます。特に、体重管理は長期的な継続が重要となるため、忙しい方や、クリニックから遠方に住む方にとって、オンラインでの診察は服薬アドヒアランス(治療の継続)の向上を支えることが期待されます。
しかし、ウゴービは、重篤な副作用として急性膵炎や低血糖などがあるため、オンライン診療で導入・継続する場合においても、医師による適切な患者選定、投与方法や副作用に関する十分な指導、そして厳格な管理指導の下で実施される必要があります。
参考文献
・ウゴービ皮下注SD/ウゴービ皮下注MD 添付文書(医薬品医療機器総合機構(PMDA)添付文書情報検索)
・最適使用推進ガイドライン セマグルチド(遺伝子組換え)(販売名:ウゴービ皮下注)~代謝機能障害関連脂肪肝炎~(令和8年6月、厚生労働省)
・最適使用推進ガイドライン セマグルチド(遺伝子組換え)(販売名:ウゴービ皮下注)~肥満症~(令和5年11月、令和8年6月一部改正、厚生労働省)
・ノボ ノルディスク ファーマ株式会社 プレスリリース「ウゴービ®皮下注、代謝機能障害関連脂肪肝炎(MASH)に対する承認を取得」(2026年6月19日)
このページは、株式会社MICIN(マイシン)の肥満症治療のオンライン診療【スリマル(slimaru)】のページです。厚生労働省承認の治療薬を用いた本格的な医学治療を、診察料・送料込みのシンプルな料金で提供しております。
なお、【スリマル】でご案内しているのは肥満症治療としてのウゴービ皮下注です。ウゴービ皮下注は2026年6月にMASH(代謝機能障害関連脂肪肝炎)治療薬としての適応も追加されましたが、MASH治療には肝線維化の評価等の専門的な診断が必要であり、最適使用推進ガイドラインに基づく施設要件・医師要件を満たす医療機関での対応が求められるため、本サービスの対象外です。MASHが疑われる方、MASHの診断・治療をご希望の方は、消化器内科・肝臓専門医等の適切な医療機関を受診してください。
このページは、オンライン診療サービス curon(クロン)を開発・運営する株式会社MICINにより運営されています。クロンは厚生労働省・経済産業省・総務省のガイドラインにも準拠した、初期費用・月額固定費用が無料で運営できるオンライン診療のシステムで、全国で多数のクリニックに導入されています。サービスの詳しい内容について、こちらをご覧ください。
オンライン診療サービス クロンはこちらへ
本サービスにおける情報提供は、診断・治療行為ではありません。診断・治療を必要とする方は、必ず近くのかかりつけ医や、適切な医療機関を受診することをお勧めいたします。
また、日々最新の情報を掲載するために過去の執筆記事も定期的に巡回し、情報の正確性に可能な限り努めて参りますが、制度改定などにより一時的に古い情報が掲載されている可能性がございます。
本サービス上の情報や利用に関して発生した損害等に関して、弊社は一切の責任を負いかねますこと予めご了承ください。