ピルの種類と違いは|避妊用・治療用・アフターピルを目的別に解説
- 【読み】 ぴる
- 【呼称】 ‐
※2026年7月時点の情報を元に作成しています。
ピルは避妊だけでなく、女性の悩みの種になりがちな生理をコントロールしたり、辛い生理痛を軽減したりと、女性にとって多くのメリットがある薬です。ピルには複数の区分があり、目的によって使用される薬や使い方、保険適用の有無が異なります。
今回は、ピルの分類と、それぞれの区分で使われる薬の名前・使用法について解説します。
ピルの区分
ピルは、主な目的・入手方法・保険適用の観点から、以下のように区分されます。
| 区分 | 主な目的 | 入手方法 | 保険 |
|---|---|---|---|
| 配合型OC(エストロゲン+プロゲスチン) | 避妊 | 医師の処方 | 原則自費 |
| POP(プロゲスチン単剤) | 避妊 | 医師の処方 | 原則自費 |
| LEP(低用量EP配合) | 月経困難症など製品ごとの承認疾患 | 医師の処方 | 承認適応等を満たす場合 |
| 中用量配合剤 | 疾患治療・周期調整など | 医師の処方 | 目的・診療内容による |
| 緊急避妊薬 | 性交後の緊急避妊 | 医師の処方、または対応薬局でOTC購入 | 原則自費 |
「治療目的なら保険適用」という一般化は誤りで、製品の承認された効能・効果、処方目的、保険診療上の条件を満たす場合に限られます。LEP製剤(ヤーズフレックス等)は電子添文に「避妊目的で使用しないこと」と明記されており、避妊用として使用することはできません。
ピルの副作用
ピルの種類に関わらず共通で起こりうる主な副作用としては、吐き気、乳房の張り、頭痛、不正出血などが挙げられます。低用量ピルでは、重大な副作用として血栓症が起こる可能性があります。発生する頻度は非常に少ないものの、服用中に気になる症状があらわれた場合は、服用を止めてすぐに医療機関に相談しましょう。副作用・禁忌・相互作用の詳細は区分・製品ごとに異なるため、各製品の添付文書をご確認ください。
避妊に用いられるピル(配合型OC・POP)
避妊目的で使用される配合型OCには多くの種類があり、休薬期間中の服薬の有無など、自分のライフスタイルに合わせて医師と相談しながら選ぶことができます。
代表的な配合型OCの名前
・トリキュラー28または21
・マーベロン28または21
・アンジュ28または21
・ラベルフィーユ28または21
・ファボワール28または21
28と21には、偽薬の有無に違いがあります。休薬期間に服用をしたくない人は「21」を、服薬再開を忘れるのが心配な人は、休薬期間にも偽薬の服用が続けられる「28」を、医師と相談のうえ選びます。
POP(プロゲスチン単剤)
POP(プロゲスチン単剤)は、エストロゲンを含まない避妊用の経口避妊薬です。国内ではスリンダ錠28(あすか製薬、2025年5月19日承認・2025年6月30日発売の国内初POP。実薬24錠+プラセボ4錠)などがあり、医師の処方が必要で、薬価基準未収載のため保険給付の対象ではありません(原則自費)。配合型OCとは別カテゴリーの薬剤です。
配合型OC・POPの使用法
毎日決まった時間に1錠服用します。製品によって、21日分を飲み終えたら7日間休薬または偽薬を挟むタイプ、実薬24錠+プラセボ4錠のタイプなど構成が異なります。処方時の指示に従ってください。
なお、月経日を調整する場合には中用量のエストロゲン・プロゲスチン配合剤(プラノバール等)などが使われることがあります。服用開始日・期間は、月経を早めるか遅らせるか、周期や体調により異なるため、医師の指示に従ってください。
緊急避妊に用いられる薬
国内で承認・流通している緊急避妊薬には、医師の処方を受ける医療用製品と、一定の要件を満たす薬局・ドラッグストアで購入できる要指導医薬品(ノルレボ・レソエル72)があり、いずれもレボノルゲストレル1.5mg製剤です。製品は複数ありますが、有効成分の種類が複数あるわけではありません。
研修を修了した薬剤師による対面確認を受け、性交後72時間以内にその場で服用します。緊急避妊薬を服用しても妊娠を完全に防げるわけではなく、できるだけ早く服用することが重要です(国内試験での妊娠阻止率は81.0%と報告されています)。服用しても妊娠を完全に防げるわけではありません。
緊急避妊薬の使用方法
避妊に失敗してから72時間以内に1回だけ服用します。用量は1回1錠です。服用後の経過や次の性交への対応については、低用量ピルはドラッグストアなどの市販では購入不可!緊急時の入手方法は?をご覧ください。
月経困難症などの治療に用いられるLEP製剤
LEP製剤は避妊で使われる配合型OCと同系統の成分を含みますが、月経困難症など製品ごとに承認された疾患の治療薬として、避妊用のピルとは区別されています。
主な製剤例(2026年7月時点)
・ヤーズ配合錠
・ヤーズフレックス配合錠
・ルナベル配合錠LD・ULD
・フリウェル配合錠LD・ULD(ルナベルの後発品)
・ジェミーナ配合錠
・アリッサ配合錠(エステトロール/ドロスピレノン。2024年9月24日承認・11月20日薬価収載)
・ドロエチ配合錠「あすか」(ドロスピレノン・エチニルエストラジオール=ヤーズの後発品)
※製剤の販売状況(発売中・販売中止・承認済み未発売)は変動するため、掲載前にPMDAとメーカー公式の双方で最新の情報をご確認ください。
LEP製剤の使用方法
製品によって構成・服用期間が異なります。21日分を飲み終えたら7日間休薬するタイプに加え、ジェミーナは77日間連続服用してその後7日間休薬、ヤーズフレックスは条件に応じて最長120日間連続服用(25日目以降の出血状況により4日間休薬)または24日服用+4日休薬を選択できます。詳しい飲み方は低用量ピルの飲み方は?飲むタイミングについても解説をご覧ください。
ピルとオンライン診療の相性
日々の避妊や治療目的でピルを使用する場合は、服薬を中断しないことが何より大切です。オンライン診療では、家事の合間や仕事の休憩時間などのちょっとした隙間時間に診察を受けることができます。
また、オンライン診療では医師と直接対面するわけではないため、診察室で緊張してしまいがちな人にもおすすめです。自宅などのリラックスした環境で診察を受け、気になる点についてしっかりと医師に確認しましょう。
【参考文献】
厚生労働省
日本産科婦人科学会
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