低用量ピルは市販で買える?アフターピルとの違いと入手方法
- 【読み】 ていようりょうぴる
- 【呼称】 -
※2026年7月時点の情報を元に作成しています。
かつて緊急避妊薬(アフターピル)は医師の処方が必要でしたが、2026年2月から、研修を受けた薬剤師のいる薬局・ドラッグストアで、処方箋なしに購入できるようになりました(要指導医薬品)。一方、毎日服用する低用量ピル――避妊目的の経口避妊薬(OC)も、月経困難症などの治療に用いるLEP製剤(ルナベル・ヤーズ等)も――は、いずれも引き続き医師の処方が必要で、市販はされていません。
今回は、低用量ピルの市販に関する情報と、緊急避妊薬との違い、現時点での安全な入手方法について解説します。
ピルについて
ピルは避妊に使用されるイメージの強い薬ですが、最近は避妊以外の目的で使用されることも多くなってきています。
まずは、ピルの種類と用途やそれぞれの使用方法について解説します。
ピルの種類と用途
日常的な避妊を目的として使用されるのは、低用量ピル(OC)です。医師の処方のもと正しく服用した場合、避妊効果が期待できます。低用量ピルとは別に、月経困難症などの治療に使用される低用量エストロゲン・プロゲスチン配合剤(LEP製剤)があり、こちらは避妊を目的として承認された薬ではありません。
ピルは、生理日をずらしたい場合にも活用できます。生理日をずらしたい場合は、中用量ピルが使用されることがあります。
コンドームなどの避妊法で失敗した場合や、望まない性行為をしてしまった場合などは、緊急避妊薬(アフターピル)が使用されます。緊急避妊薬は、性交後できるだけ早く服用することで妊娠を防ぐ効果が期待されますが、完全に妊娠を防ぐものではありません。
ピルの使用方法
低用量ピル(OC)は、製品によって21日服用+7日休薬、28日連続服用(実薬24錠+プラセボ4錠等)、より長期の連続服用など構成が異なります。服用方法は処方された製品の指示に従ってください。
生理日をずらす目的で中用量ピルを使用する場合は、生理を避けたい日から逆算して医師の指示する日に服用を開始します。服用開始日・期間は周期や体調により異なるため、自己判断で決めず医師の指示に従ってください。
緊急避妊薬(レボノルゲストレル1.5mg製剤)は、性交後72時間以内にできるだけ早く服用します。国内で承認・流通している製剤は、いずれもレボノルゲストレル1.5mgで、120時間以内の服用で承認されている製剤(ulipristal/エラ等)は国内では未承認です。
低用量ピル・LEPはドラッグストアで購入できない/緊急避妊薬の一部は薬局で購入可能
海外ではドラッグストアなどの店頭でピルを購入できる国もありますが、日本国内で低用量ピル(OC)・LEP製剤をドラッグストアなどで購入することはできません。低用量ピル・LEP製剤は医師の処方せんが必要な医療用医薬品に分類されており、医師の診察を受け、医師や薬剤師から薬の説明を受けたうえで処方を受ける必要があります。
緊急避妊薬のOTC化について
かつて緊急避妊薬は医師の処方が必要でしたが、2026年2月から、研修を受けた薬剤師のいる対応薬局・ドラッグストアで、処方箋なしに購入できるようになりました(要指導医薬品)。日本初のOTC緊急避妊薬「ノルレボ」(第一三共ヘルスケア、2026年2月2日発売・1錠7,480円(税込))に続き、レソエル72(富士製薬工業、2026年3月9日発売・1錠6,930円(税込))も発売されています。いずれもレボノルゲストレル1.5mg製剤です。
緊急避妊薬の一部は、要指導医薬品として、厚生労働省の一覧に掲載された対応薬局等で購入できます。ただし研修を修了した薬剤師による対面確認を受け、原則として本人が薬剤師の面前で服用します。持ち帰りや、どの薬局でも自由に購入できる薬ではありません。どの薬局でも扱っているわけではないため、来店前に在庫と対応可能な薬剤師の勤務状況を確認してください。なお低用量ピル・OC・LEPは市販されておらず、医師の処方が必要です。
緊急避妊薬を服用すると、数日〜数週間のうちに生理のような出血(消退出血)が起こることがあります。服用した多くの人は予定月経日の前後数日以内に月経がありますが、予定していた生理が1週間以上遅れる場合や、いつもと違う出血が続く場合は、妊娠の可能性があるため妊娠検査薬で確認するか産婦人科を受診してください。また、緊急避妊薬には服用後の性交に対する避妊効果はありません。次の生理が来るまでは、コンドームなど確実な避妊を必ず行ってください。継続的な避妊を希望する場合は、低用量ピル等について医師に相談してください。
ピルや緊急避妊薬は、HIV感染症や性感染症を防ぐものではありません。性感染症の予防にはコンドームの使用などが必要です。
低用量ピル・緊急避妊薬の入手方法
医療機関を受診する
低用量ピル・LEP製剤を安全に入手するには、クリニックや病院などの医療機関を受診するのが最も一般的な方法です。服用する目的や悩んでいる症状を医師が確認したうえで、最も適した処方を受けることができます。
また、使用方法や飲み忘れたときの対処法、服用後に出てきた気になる点についても医師に相談できるため、服用が初めての方にもおすすめの方法です。
ネット通販で購入する危険性
インターネット上には、医師の診察を受けずに個人輸入でピルを購入できる通販サイトが存在しています。自己使用目的の個人輸入が制度上認められる場合はありますが、国内で品質・有効性・安全性が確認されていない製品や偽造品が含まれるリスクがあります。医師の診察を受け、国内で承認された医薬品を処方してもらってください。
緊急時はオンライン診療も検討する
オンライン診療は、インターネット上で薬を直接購入する仕組みではありません。医師の診察を受け、必要と判断された場合に処方され、薬局等で服薬指導を受けて薬を受け取ります。
緊急避妊を目的とするオンライン診療は、対面診療が困難と医師が判断した場合などに限られ、対応薬局で薬剤師の指導を受け、その面前で服用する必要があります。厚生労働省は緊急避妊のオンライン診療について、対応可能な医師・薬局の限定、薬剤師の面前服用、約3週間後の産婦人科対面受診を定めています。単に「翌日配送で便利」といったものではありません。
ピルを安心・安全に使用するためにも、医療機関の受診やオンライン診療などの正規の方法で入手するようにしましょう。
参考文献
日本産科婦人科学会「緊急避妊法の適正使用に関する指針」
【執筆者】薬剤師:大西真理
ドラッグストア併設調剤薬局の薬剤師。薬局長として薬局全体の管理、教育等に従事し、管理薬剤師としても活躍。広域病院から地域密着型クリニックまで幅広い内容の処方箋応需経験を持つ。
このページは、オンライン診療サービス curon(クロン)を開発・運営する株式会社MICINにより運営されています。クロンは厚生労働省・経済産業省・総務省のガイドラインにも準拠した、初期費用・月額固定費用が無料で運営できるオンライン診療のシステムで、全国で多数のクリニックに導入されています。サービスの詳しい内容について、こちらをご覧ください。
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