PMSが原因の吐き気に効く市販薬はある?受診が必要なケースについても解説
- 【読み】 ぴーえむえす
- 【呼称】 -
※2026年8月時点の情報を元に作成しています。
生理が近づくと胃がむかむかして吐き気が出たり、時には吐いてしまったりといった症状はありませんか?その吐き気は、PMS(月経前症候群)が原因かもしれませんが、妊娠など他の原因である可能性もあります。
今回は、PMSの症状のなかでも特に「吐き気」に注目し、市販薬の使用可否、対処法、受診が必要なケースについて解説します。
まず確認したいこと:吐き気をPMSと決めつけない
月経前の吐き気は、PMSだけでなく妊娠初期でも起こることがあり、月経の遅れと同時に現れる場合もあります。以下のような場合は、PMSと自己判断せず医療機関を受診してください。
・月経が遅れている、妊娠の可能性がある
・月経前以外にも吐き気が続く、水分・食事が取れない、嘔吐を繰り返す・体重が減る
・強い腹痛、発熱、激しい頭痛等を伴う
・新しい薬・サプリを開始した後に症状が出た
妊娠に伴う吐き気で水分・食事が取れない状態は、妊娠悪阻につながる場合があります。
PMSについて
PMSとは
PMSとは、Premenstrual Syndromeの略語で、日本語では「月経前症候群」といいます。生理の3~10日前から続く精神的、身体的な症状のことで、生理が始まると共に症状が和らいだり、消失したりするのが特徴です。
PMSに該当するかどうかは、症状が月経前に限定的に出現し、月経開始後に軽快・消失するか、少なくとも2周期にわたって記録し繰り返しているか、日常生活に支障が出ているか、といったことがポイントです。月経後も症状が続く場合や周期と無関係な場合は、PMS以外の原因も考えられるため、9130(PMSとPMDDの違い)で紹介している評価方法もご参照ください。
PMSの症状
PMSの症状は、大きく精神神経症状、自律神経症状、身体的症状の3種類に分けられ、それぞれ以下の症状が代表的です。
| 症状の種類 | 具体的な症状 |
|---|---|
| 精神神経症状 | イライラ、気分の落ち込み、不安感、怒りっぽさ、情緒不安定、抑うつ、眠気、集中力低下、睡眠障害 |
| 自律神経症状 | のぼせ、食欲不振・過食、めまい、倦怠感 |
| 身体的症状 | 腹部や乳房の張り、むくみ、吐き気、腹痛、頭痛、腰痛 |
特に精神状態が強い場合には、PMSではなく月経前不快気分障害(PMDD)に該当する場合もあります。詳しくはPMSとPMDDの違いとは?セルフチェック方法も解説をご覧ください。
PMSの原因
PMSの原因は完全には解明されていませんが、女性ホルモンの変動が関与していると考えられています。排卵のある女性の場合、PMSが起こる生理の3~10日前は「黄体期」と呼ばれる期間にあたります。黄体期には、「エストロゲン(卵胞ホルモン)」と「プロゲステロン(黄体ホルモン)」が多く分泌されます。黄体期の後半になると卵胞ホルモンと黄体ホルモンの分泌が急激に低下し、脳に存在する神経伝達物質やホルモンに変化が生じることがPMSの一因と推測されています。
PMSで吐き気が生じる原因についても明確には解明されていませんが、生理前に分泌が増える黄体ホルモンの影響が示唆されています。黄体ホルモンには胃腸の動きを鈍くする作用があるため、便秘やお腹の張りが起こりやすくなり、それが吐き気に関係していると考えられています。
PMSの吐き気に市販薬は使えるか
PMSを効能とする市販薬(プレフェミン等)はありますが、承認された効能に吐き気は含まれていません。PMSによる吐き気に対し、一般用の胃腸薬や酔い止めを原因確認なしに選ぶことは推奨できません。月経周期との関係を記録し、症状が強い・繰り返す場合は医師・薬剤師に相談してください。
吐き気止めや胃腸薬が適しているかは原因や使用中の薬によって異なります。購入前に薬剤師へ、月経周期・妊娠の可能性・随伴症状・服用中の薬を伝えて確認してください。
PMSの治療方法
明確な原因が解明されていないPMSですが、さまざまな方法で対処できる場合があります。
生活習慣としては、運動や休息、リラックスできる時間をつくること、カルシウムが豊富な食品を取ることや、喫煙・アルコール・カフェインを控えることが症状の軽減に役立つ場合があります。ただし効果には個人差があり、原因そのものの治療ではありません。
医療機関でのPMS治療とは
医療機関でのPMS治療では、まず症状日誌による評価、生活指導、運動療法、カウンセリングなどが行われます。それでも症状が改善されない場合は、エストロゲンとプロゲスチンを含むOC・LEP製剤による治療が検討されることがあります。ただし低用量ピルが一律の標準治療というわけではなく、製剤ごとにエビデンスの程度が異なり、喫煙・片頭痛・血栓症リスク等によって使用できない場合もあるため、医師が使用可否を判断します。
低用量ピルの他には、症状や体質に合わせて漢方薬が使用されることもあります。
PMSによる吐き気は受診がおすすめ
PMSの治療では、その人に適した対処ができているかどうかが最も重要です。自分にあった対処法がなかなか見つからず症状が重い場合には、婦人科などの医療機関を受診し、医師に相談しましょう。
PMSには、「この検査値が正常範囲を超えていたら治療が必要」といった明確な診断基準は存在しません。症状の程度がどうであれ、日常生活の中で少しでも支障を感じるようであれば、受診してかまいません。
PMSの症状を相談できる医療機関
PMSの治療で低用量ピルなどをコンスタントに服用するためには、定期的に通院し医師の処方を受けることが不可欠です。ただ、PMSに悩む年代の女性は学業や仕事など日々の生活で忙しく、思うように来院の時間を作れない場合もあります。また、婦人科を受診するところを人に見られることに抵抗を感じる方もいらっしゃるかもしれません。オンライン診療は、こうした通院負担の軽減に役立ちます。
また、薬の処方だけでなく、飲み忘れた場合の対処方法や、飲み方を変えたい場合の相談窓口としても活用できます。
低用量ピルについては、個人輸入などで海外製の安価な商品を入手することもできるようになってきていますが、品質・安全性が未確認の製品や偽造品が含まれるリスクがあります。保険医療機関を受診し、適切な診断と治療を受けましょう。
参考文献
このページは、オンライン診療サービス curon(クロン)を開発・運営する株式会社MICINにより運営されています。クロンは厚生労働省・経済産業省・総務省のガイドラインにも準拠した、初期費用・月額固定費用が無料で運営できるオンライン診療のシステムで、全国で多数のクリニックに導入されています。サービスの詳しい内容について、こちらをご覧ください。
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