公開日:2021年05月24日

精神科在宅患者支援管理料とは

  • 【読み】 せいしんかざいたくかんじゃしえんかんりりょう
  • 【呼称】 -

※2026年7月時点の情報を元に作成しています。

精神科在宅患者支援管理料とは

重度の精神疾患により通院が困難な患者に対して、保険医療機関の医師等が訪問診療を行った場合に算定できる診療報酬です。
平成30年4月の改定で、精神科重症患者早期集中支援管理料にかわり新設されました。

算定要件

精神科在宅患者支援管理料は、管理料の区分(1・2・3)に応じて算定できる期間や連携先が異なりますが、共通して以下のような実務要件を満たす必要があります(令和8年度診療報酬改定時点の実施上の留意事項を基に整理)。

1.多職種による支援体制:精神科医、看護師または保健師、作業療法士、精神保健福祉士等の多職種からなる専任のチームを編成し、計画的な医学管理の下で支援を行うこと。

2.訪問診療・精神科訪問看護の実施:管理料1・2(集中的な支援を必要とする場合)は、月1回以上の訪問診療に加え、週2回以上(通常の場合は月2回以上)の精神科訪問看護・指導を実施すること。管理料3は、引き続き月1回以上の定期的な訪問診療を実施すること。

3.緊急時対応体制の整備:患者の急変時等に常時対応できる体制を整備すること。

4.関係機関との会議:専任チームによるチームカンファレンス(管理料1・2の集中支援の場合は週1回以上、通常の場合は月1回以上)を行うとともに、2月に1回以上、保健所・精神保健福祉センター等の行政機関と共同カンファレンスを実施するか、その結果を文書で情報提供すること。

5.診療録への記載:総合支援計画書(別紙様式41またはこれに準じた様式)を月1回以上作成し、その写しを診療録に添付すること。会議の要点や参加者の職種・氏名などを診療録に記載すること。

6.レセプト(診療報酬明細書)摘要欄への記載:管理料1・2の算定に当たっては、直近の入院日・入院形態・退院日、退院時および当該月最初の訪問診療時におけるGAF尺度による判定、包括的支援マネジメント導入基準の該当項目・点数、初回算定日、訪問の日時・診療時間・訪問した者の職種等を、診療報酬明細書の摘要欄に記載すること。

これらの要件は管理料の区分ごとに細部が定められているため、実際の算定に当たっては、下記「参考文献」に記載した厚生労働省の告示・通知の原文を必ずご確認ください。

診療報酬

精神科在宅患者支援管理料1
別に厚生労働大臣が定める患者のうち、集中的な支援を必要とする者の場合
単一建物診療患者1人 3,000点
単一建物診療患者2人以上 2,250点

別に厚生労働大臣が定める患者の場合
単一建物診療患者1人 2,500点
単一建物診療患者2人以上 1,875点

精神科在宅患者支援管理料2
別に厚生労働大臣が定める患者のうち、集中的な支援を必要とする者の場合
単一建物診療患者1人 2,467点
単一建物診療患者2人以上 1,850点

別に厚生労働大臣が定める患者の場合
単一建物診療患者1人 2,056点
単一建物診療患者2人以上 1,542点

精神科在宅患者支援管理料3
単一建物診療患者1人 2,030点
単一建物診療患者2人以上 1,248点

精神科在宅患者支援管理料(情報通信機器を用いた場合)
100点/所定点数に加算

※情報通信機器を用いた場合の加算(精神科オンライン在宅管理料、100点)の算定要件の詳細は、関連記事「精神科オンライン在宅管理料とは」をご参照ください。

医療機関が訪問診療をしているか否か、別の訪問看護ステーションと連携しているか否か、また訪問の頻度によって算定基準が異なります。

別の連携した訪問看護ステーションの場合には、月に2回以上訪問していない場合には算定することができません。6ヶ月をすぎると、精神科医師が月1回訪問することで算定が可能となり、精神科在宅患者支援管理料1、2の算定を開始してから3の算定まで最長で算定開始から2年算定することができます。

上記の点数は、令和8年度診療報酬改定(令和8年厚生労働省告示第69号、2026年6月1日施行)の医科点数表と照合済みであり、精神科在宅患者支援管理料1〜3および情報通信機器を用いた場合の加算(100点)のいずれも、令和4年度改定時点から点数の変更はありません(2026年6月現在)。算定要件・施設基準などの詳細や注意事項は、上記「参考文献」に記載した厚生労働省の告示・通知の原文を必ずご参照ください。

算定対象の患者

通院が困難で在宅ですごしている重度の精神疾患を持つ患者のうち、以下のいずれかに該当する患者が対象となります(令和8年度診療報酬改定時点の実施上の留意事項に基づく整理)。

【管理料1・2(集中的な支援を必要とする場合)の対象患者】
・1年以上の入院歴を有する者、または措置入院・緊急措置入院を経て退院し、都道府県等が作成する退院後支援計画に基づく支援期間にある患者
・入退院を繰り返す者(直近の入院が措置入院・緊急措置入院・医療保護入院のいずれかであり、かつ当該入院日から起算して過去3か月以内に措置入院・緊急措置入院・医療保護入院をしたことがある者に限る)
・統合失調症、統合失調症型障害もしくは妄想性障害、気分(感情)障害または重度認知症の状態で、退院時または算定時のGAF尺度による判定が40以下の者
・「在宅医療における包括的支援マネジメント導入基準」において、コア項目を1つ以上満たす者、または5点以上である者

【管理料1・2(通常の場合)の対象患者】
上記のいずれかに該当する患者、または以下のすべてに該当する患者
・ひきこもり状態、または精神科の未受診・受診中断等を理由に、行政機関の保健師等による家庭訪問の対象となっている者
・行政機関の要請を受け、精神科を標榜する保険医療機関の精神科医が訪問診療を行った結果、計画的な医学管理が必要と判断された者
・当該管理料を算定する日においてGAF尺度による判定が40以下の者

【管理料3の対象患者】
管理料1または2を算定した患者であって、引き続き訪問診療が必要と判断された患者

※GAF尺度(Global Assessment of Functioning:機能の全体的評定尺度)とは、患者の心理・社会・職業的機能を総合的に評価する尺度です。

参考文献

情報は、2026年6月現在のものです(令和8年度診療報酬改定・2026年6月1日施行の内容を反映)。

・厚生労働省「診療報酬の算定方法の一部を改正する件」(令和8年厚生労働省告示第69号)別表第一(医科診療報酬点数表)
・厚生労働省「診療報酬の算定方法の一部改正に伴う実施上の留意事項について」(令和8年3月5日保医発0305第6号)医科点数表
・厚生労働省「特掲診療料の施設基準等の一部を改正する件」(令和8年厚生労働省告示第71号)
・厚生労働省「特掲診療料の施設基準等及びその届出に関する手続きの取扱いについて」(令和8年3月5日保医発0305第8号)
(参考:厚生労働省「令和8年度診療報酬改定について」)

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