電子処方箋とは?仕組みやメリットについて患者目線で解説
- 【読み】 でんししょほうせん
- 【呼称】 ‐

※2026年7月時点の情報を元に作成しています。
これまで処方箋といえば、紙で受け取るのが当たり前でしたが、2023年1月から「電子処方箋」の運用が開始されました。
今回は、電子処方箋の仕組みや注意事項、患者からみたメリット・デメリットなどについて解説します。
2023年1月から「電子処方箋」の取扱いが開始
まずは、電子処方箋の概要について確認しておきましょう。
電子処方箋とは
電子処方箋の仕組みは、2023年1月から開始されました。電子処方箋とは、紙ではなくデジタルデータで処方箋を運用し、医療機関や薬局の間でやり取りする仕組みのことです。
処方箋のやり取りが効率化されるだけでなく、デジタルデータで記録された患者ごとの受診履歴や服薬履歴を活用し、健康増進につながることが期待されています。
電子処方箋の普及状況
厚生労働省「電子処方箋推進会議」(第5回、令和7年9月21日時点の資料)によると、運用開始済み施設の割合は、薬局85.5%、病院15.3%、医科診療所22.1%、歯科診療所6.1%となっています。薬局については2025年夏時点で概ね全数導入が見込まれるなど、施設種別によって普及状況に差があります。最新の普及率は厚生労働省の公表資料でご確認ください。
電子処方箋の仕組み
電子処方箋を利用した受診の流れは、以下のとおりです。
①受診時
マイナ保険証(マイナンバーカードの健康保険証利用)または資格確認書等を利用し、患者の公的保険に関する資格情報をオンラインで確認します。なお、2024年12月2日以降、健康保険証の新規発行は終了しており、マイナ保険証への移行が進んでいます(従来の保険証をお持ちの方は経過措置期間内は利用可能です。マイナ保険証をお持ちでない方には資格確認書が無償交付されます)。
②診察後
処方される薬の情報(電子処方箋)を医師が「電子処方箋管理サービス」に送信します
③調剤時
薬剤師が電子処方箋を薬局のシステムに取り込み、それに基づき薬を調剤し、患者へ薬を交付します
④調剤後
マイナ保険証を利用して発行を受けた電子処方箋については、調剤された薬の情報が「電子処方箋管理サービス」に送信されます
⑤次回の受診時
「電子処方箋管理サービス」に登録された過去の服薬歴はマイナ保険証と紐づいて保存され、患者の同意のもと、次回以降の診察・調剤時に活用されます
電子処方箋を利用するメリット3つ
電子処方箋によって、医療機関や薬局の業務が効率化されるだけでなく、利用する患者側にもたくさんのメリットがあるとされています。
過去に使った薬がデータで確認できる
マイナ保険証を利用して発行を受けた電子処方箋については、受診履歴や服薬履歴がオンライン上で管理されます。これまでこのような情報については、患者自身がおくすり手帳などを使って管理する必要がありましたが、その必要がなくなります。
また、オンライン上に蓄積されたデータは、マイナポータルを通じて患者自身が閲覧することができるため、受診履歴や服薬履歴を自身の健康管理に役立てていくことが期待されています。
より正確な情報をもとに診察や調剤を受けられる
マイナ保険証を利用して発行を受けた電子処方箋については、患者からの同意がある場合、過去3年分の受診履歴や服薬履歴が複数の医療機関・薬局をまたいで共有されます。
例えば、処方・調剤しようとする薬が現在服用中の薬と重複したり、飲み合わせが悪かったりしないかなどについて、データを利用して確認してもらえるようになります。
処方箋の紙を紛失するリスクがなくなる
これまでの仕組みでは、処方箋の紙がないと薬局で薬を調剤してもらうことはできませんでした。もしも処方箋を紛失してしまった場合は、処方元の医療機関を再度受診し、処方箋の再発行にかかわる費用を負担した上で再発行を受ける必要がありました。
電子処方箋の仕組みでは、医療機関から通知される引換番号と、マイナ保険証または資格確認書があれば、薬局で調剤を受けることができます。そのため、処方箋を紛失する可能性はなくなります。
電子処方箋には課題も残されている
なにかと便利にみえる電子処方箋ですが、いくつかの課題があります。
マイナ保険証の利用が前提
電子処方箋の仕組みを最大限に活用するには、マイナ保険証の利用が前提となります。
マイナ保険証ではなく資格確認書等を利用して発行を受けた電子処方箋については、受診履歴や服薬履歴はオンライン上で管理されません。そのため、過去に使った薬などの情報をデータで確認することはできず、おくすり手帳などを使って自分で管理を続ける必要があります。
全ての病院や薬局で一斉に開始したわけではない
医療機関や薬局によっては、これまでのシステムでは電子処方箋に対応できない場合も多く、システム導入費用の負担が課題となっています。
上記の普及状況のとおり、施設種別によって導入率には差があり、電子処方箋を希望する場合は、対応可能な医療機関や薬局を患者自身が探す必要があります。
マイナ保険証がなくても使える「クロン処方箋ネット」
電子処方箋には多くの期待が寄せられているものの、課題も多く残されています。そこで、マイナ保険証の有無に関係なく利用でき、多くの薬局で利用できるシステムとして知っておきたいのが「処方箋のネット受付」です。
ここからは、処方箋ネット受付システムのひとつである「クロン処方箋ネット」について解説します。
クロン処方箋ネットとは
クロン処方箋ネットは、スマホで撮影した処方箋の画像を事前に全国の薬局に送ることで、薬の予約ができるサービスで、好きな薬局で好きな時間に薬を受けとることができます。電子処方箋管理サービスを利用した電子処方箋とは違い、これまで通りの紙の処方箋で利用できます。
クロン処方箋ネットは、全国でチェーン展開する薬局から中小、個人経営薬局まで5,000店舗を超える薬局で導入されています。
利用の流れ
クロン処方箋ネットを利用する際の流れは以下の通りです。
①処方箋を受けとり後、薬局を検索
医療機関で処方箋をお受けとり後、ご希望の薬局を検索し「処方箋ネット受付」を選択してください。
②スマホで処方箋を撮影して事前送信
処方箋をご自身のスマホで撮影し、アップロードを行い、質問票にご回答ください。「回答を送信」を選択して調剤予約が完了します。
③通知が届いたら、処方薬受けとり
調剤完了後はご登録いただいたご連絡先に通知が届きます。店頭でお薬の代金をお支払いいただき、処方薬をお受けとりください。
※お受けとりの際は、処方箋原本(紙)とマイナ保険証(マイナンバーカード)または資格確認書が必要です
※処方箋有効期限内に薬局にお越しください
こんな使い方が便利
小さい子どもがいると、ぐずってしまったり、あちこち触ってしまったりと、薬局での待ち時間は保護者にとって悩みの種になりがちです。クロン処方箋ネットを利用することで、薬局での待ち時間を買い物や子どもとの遊びといった日々の日課に充てられます。
また、ビジネスマンであれば通勤中に薬を準備してもらって、会社や家近くの薬局で受け取るという使い方も便利です。
薬局の待ち時間から解放されるクロン処方箋ネット。ぜひ試してみてはいかがでしょうか?
クロン処方箋ネットはこちら
参考文献
・厚生労働省「電子処方箋」https://www.mhlw.go.jp/stf/denshishohousen.html
・厚生労働省 第5回電子処方箋推進会議資料(令和7年9月21日)
・医療保険制度における具体的な対応(電子処方箋関連)
・厚生労働省 保険診療Q&A
このページは、オンライン診療サービス curon(クロン)を開発・運営する株式会社MICINにより運営されています。クロンは厚生労働省・経済産業省・総務省のガイドラインにも準拠した、初期費用・月額固定費用が無料で運営できるオンライン診療のシステムで、全国で多数のクリニックに導入されています。サービスの詳しい内容について、こちらをご覧ください。
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