公開日:2022年10月11日

デパスの作用や服用時の注意点、副作用について解説

  • 【読み】 でぱす
  • 【呼称】 

デパスは脳の働きを落ち着かせる精神神経用剤として、かつて日本で最も処方数の多い薬のひとつでした。睡眠障害や不安・うつ症状だけでなく、筋収縮性頭痛や腰痛まで幅広い症状に使用されます。

一方、2016年10月より向精神薬に指定され、厚生労働省による処方制限の対象となりました。さまざまな効能効果をもつ薬であるがゆえに、乱用や依存につながりやすいなど、注意点が多い薬でもあります。不安をやわらげる精神安定剤の中でも作用が強いとされている分、服用上のリスクも大きいことが特徴的です。

今回はデパスの作用や服用時の注意点、副作用について詳しく解説します。

「デパス」ってどんな薬?

デパスの作用と効果

デパスは、「ベンゾジアゼピン系」と呼ばれる種類の薬の1つです。ベンゾジアゼピン系の薬には、脳内の「ベンゾジアゼピン受容体」に働きかけ、脳の興奮を抑える神経伝達物質である「GABA」の働きを強める作用があります。この作用により、以下の主な3つの作用と効果が期待できます。

1.抗不安作用:不安や緊張をやわらげる
2.筋弛緩作用:筋肉の緊張をやわらげ、肩こり・腰痛・筋収縮性頭痛を改善する
3.鎮静催眠作用:気持ちを落ち着かせ、眠気を催す・睡眠の質を高める

ベンゾジアゼピン系には多くの薬があり、上記3つの効果の強弱によって用途が異なります。

デパスは抗不安作用、筋弛緩作用、鎮静催眠作用が強いため、抗不安薬や筋弛緩薬、睡眠導入剤として主に使われます。

デパスの用途・用法

デパスの用法・用量は、改善させたい症状によって異なります。

1.神経症、うつ病:1回1mgを1日3回服用する
2.心身症、頚椎症、腰痛症、筋収縮性頭痛:1回0.5mgを1日3回服用する
3.睡眠障害:1回1~3mgを1日1回就寝前に服用する

なお、いずれの場合も年齢や症状により適宜増減しますが、高齢者はエチゾラムとして1日1.5mgまでとされています。必ず医師の診療を受け、指示された服用方法に従ってください。

服用中は眠気やふらつきが起こることがあるため、自動車の運転など危険を伴う作業は避けてください。

服用を忘れた場合は、気が付いたタイミングでできるだけ早く服用してください。ただし、次に服用するまでの時間が短い場合は、忘れた分は服用せずに1回分を飛ばしてください。絶対に2回分を1回で服用してはいけません。誤って多く服用した場合は、すぐに医師または薬剤師に相談してください。

常用量でも長期間の服用で依存が形成されることがあります。急な減量・中止により、不眠・不安・焦燥・頭痛・嘔気・せん妄・振戦・けいれん発作などの離脱症状が現れることがあります。長期・漫然投与は避け必要最小限の期間にとどめ、中止する場合は医師の指導のもとで徐々に減量してください。また、向精神薬として1回の処方で投薬できる日数は30日までと定められています。

デパスを処方してくれる診療科

デパスを処方してもらえる診療科としては、以下の診療科目が挙げられます。

・精神科
・心療内科
・内科
・整形外科

デパスは広く使用されており、精神科以外では精神安定剤といえばデパスというイメージが強いほどです。

※デパス(エチゾラム)は向精神薬に指定されているため、初診のオンライン診療では処方できません。

このような症状がみられたら、すぐに連絡を

デパスの減量・中止に伴い、不安や気分の落ち込みが強まることがあります。死にたい気持ちが強くなった場合は、直ちに主治医・精神科救急医療機関・相談窓口(よりそいホットライン、いのちの電話等)へ連絡してください。

デパスの使用上の注意

デパスの副作用

デパスの主な副作用としては、以下のものが挙げられます。

・眠気
・ふらつき
・倦怠感
・脱力感
・物忘れ
・発疹
・食欲不振

また、重大な副作用としては、以下のものが挙げられます。

・依存性
・呼吸抑制/炭酸ガスナルコーシス
・悪性症候群
・横紋筋融解症
・間質性肺炎
・肝機能障害/黄疸

なお、デパスを連用している状態から急に減量・中止すると、けいれん、不眠、不安、せん妄、振戦等の離脱症状が現れることがあります。

上記の副作用・症状は、重大な疾患の初期症状である可能性があります。

また、上記の副作用は全てを記載したものではありません。自己判断で急に中止・減量せず、上記以外でも気になる症状が出た場合は速やかに医師・薬剤師に相談してください。呼吸が苦しい・意識がぼんやりする・強い興奮や混乱・けいれん等がみられる場合は救急を受診してください。

なお、高齢者では転倒・ふらつき、前向性健忘、まれに興奮・攻撃性などの奇異反応が現れることがあります。高齢者に投与する場合は、少量から慎重に開始します。

禁忌・飲んではいけない人

急性の閉塞隅角緑内障を起こしている人は、デパスによって眼圧が上がってしまう可能性があるため、デパスを服用することができません。眼圧が高い方や緑内障の診断を受けている方は、必ず医師に申し出てください。

また、重症筋無力症のある人もデパスを服用することができません。

他の薬との飲み合わせ

デパスに併用禁忌の薬はありませんが、中枢神経抑制薬・アルコール・MAO阻害薬・フルボキサミンマレイン酸塩などでは作用が強まることがあり、注意が必要です。飲み合わせに注意が必要な薬に含まれる成分の代表例としては、以下のものが挙げられます。

・中枢神経抑制剤(フェノチアジン誘導体、バルビツール酸誘導体等)
・MAO阻害剤
・フルボキサミンマレイン酸塩

薬の併用には専門的な判断が必要です。併用する場合も、併用を止める場合も、決して自己判断では行わず、必ず医師または薬剤師に相談してください。

また、アルコールとも相性がよくありませんので、デパスの服用中はアルコールを控えましょう。デパスとアルコールには近しい作用があるため、併用することでデパスの副作用が出やすくなってしまう可能性があります。

デパスのジェネリック医薬品

デパスには、「エチゾラム」というジェネリック医薬品(後発医薬品)があります。

エチゾラムはデパスと同じ成分を含んでいるため、同程度の効果が期待できます。

エチゾラムはデパス同様、脳内のベンゾジアゼピン受容体に作用し、不安や緊張を改善します。

デパスとエチゾラムの大きな違いは薬の価格です。ジェネリック医薬品では、先発品でかかる研究開発費がかからないため、大幅に安くなります。

まとめ

デパスは幅広い症状に対して効能効果をもつ薬です。

またその反面、依存症になりやすいなど副作用のリスクも大きく、注意点が多い薬でもあります。リスクをなるべく抑え、効果を最大限に引き出すためには、薬を服用する患者の理解と協力が必要です。

デパスの服用にあたっては、必ず医師の指示や薬剤師の処方を受けましょう。そして、自己判断での服薬・増量・中止は絶対にやめましょう。

参考文献

独立行政法人医薬品医療機器総合機構(PMDA),デパス錠0.25mg/デパス錠0.5mg/デパス錠1mg/デパス細粒1% 添付文書,2025年12月改訂(第2版)(2026年7月14日参照)

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